もんもん劇場

ハロプロのレポ書いてるこぶしオタ

【連載】ハリネズミ君は今日も行く #1

朝、目が覚めた。

 

昨日どんなことがあっても、夜は明け、また夜になり、それを繰り返す。

時間という存在は普遍的なゆえに僕たちを困らせ、そして救う。

 

救うという表現が単純に「救済」を意味するのか、

はたまた「記憶が薄れる」ことによるものなのかは分からない。

 

しかし、僕は決してあの夜のことを忘れないだろう。

 

 

  ハリネズミ君は今日も行く

 

 

綺麗な顔立ちの女の子、その子がプリントされた団扇やキーホルダー。

同じパッケージのCDは何十枚も棚に並んでいる。

 

僕の部屋がこんなになってしまったのはいつからだろうか。

数えようと思えば数えられるし、でも好きになった日とグッズを買うようになったのが

同じ日ではないから詳細な時間までは、、、

 

あ、申し遅れました。僕の名前はハリネズミです。

ペンネームではありませんよ。

だって僕の背中にはいくつもの棘が付いてるし、顔はハムスターとハツカネズミを

足したような顔。

 

どう見てもハリネズミでしょ?

 

僕の大親友はクマ君。大学の同級生。

僕の住んでいる世界がどんなだか想像ができなかったら

有名なアニメを思い出して。

 

ズートピア

マダガスカル

紙兎ロペ

ざわざわ森のがんこちゃん

 

このアニメのように僕の世界では動物しかいない。

動物と、あと人間。

人間にもいくつかのパターンがあって、顔のいい人間と悪い人間。

 

顔のいいのは大体芸能人

悪いのは、それを支える人

 

別に人間と仲が悪いわけではないし、頭数でいえば僕たち動物の方が多いし、

でも、やっぱり人間は人間、動物は動物って線引きは生まれた頃からされていて、

その中でうまく暮らしていますって感じかな。

 

だから、僕が人間の女の子を好きだと言うと馬鹿にされるんだ。

 

「人間なんて何がいいの?」

「動物の男に媚びるなんて気持ち悪い」

 

そんなことを言う人には1度でいいから会ってみてほしいよね。

 

あの、キラキラと光る瞳を。

あの、風さえも味方にしてしまうようなステージを。

 

一瞬で僕の体温が彼女たちの手で蘇るような感覚。

目の奥の、そのまた奥の方が熱くなって、その場から動けなくなる感覚。

 

僕はある日虜になったんだ。

人間の、女の子の、アイドルに。

 

そのアイドルが昨日の夜、

 

解散することになった。

 

 

続く